注文住宅の購入ステップ
注文住宅の購入は、建売住宅やマンションの購入よりも時間・手間・お金がかかることもあり、購入までの手続きに迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。ここでは、注文住宅を購入するときの一般的な段取りをいくつかの項目ごとにわけて解説します。
1.準備期間 その1 ~暮らしのイメージ作り、資金計画~
①暮らしのイメージ作り
注文住宅の場合、時間・お金をかければ理想の家を建てられますが、現実的に全てを叶えるのは難しいことが多いです。「どのような生活を送りたいか」ということを念頭に置いて、ご自分やご家族の譲れない条件(建物のイメージ、間取りや設備、立地、周辺環境など)を洗い出してみてください。コアとなるイメージがないと、いつまでたっても先に進まない、完成した後に不満が出てくる、といったことになりかねません。また、条件の優先順位をつけることで、どこかで妥協せざるを得なくなったときに決断しやすくなります。
②資金計画
さらに大事なのが資金計画です。現在の貯蓄額を把握したうえで、「自己資金としていくら準備できるか」「毎月の収入の中で無理のない返済額はいくらなのか」をシミュレーションしてみてください。また、この段階で住宅ローンの事前審査も行っておくとよいでしょう。それらを総合的に勘案したうえで「建物代+土地代」の予算の目安を立てます。
なお、建物代には、建築費だけでなく、ライフライン関係の敷設費用、各種手続費用、引越し代や新居にマッチした家具購入代・・・など、さまざまな費用がかかります。一般的に、これらの費用は建築費全体の2~3割を占めると言われています。それらの費用も織り込んだうえでシミュレーションしましょう。
また、忘れてはならないのが火災保険です。特に住宅ローンを組むのであれば加入は必須となります。基本的に保険期間5年の一括払となるため、保険料は10万円を超えることもあります。日新火災のお家ドクター火災保険Webは、ご希望にあわせて補償を選択することができますので、合理的な保険料で火災保険に加入することができます。また、インターネットでお申込みいただけますので、ご自分の都合の良いタイミングでお手続をすることができます。ぜひご検討ください。
2.準備期間 その2 ~土地、施工業者探し~
①土地探し
住みたい家や予算のイメージが立てられたら、具体的に土地を探し始めましょう。目星をつけた地域の不動産会社に相談し、ご自分の具体的なイメージを伝えたうえで探します。ただし、理想の条件に当てはまる土地はなかなか見つからないと思いますので、期限を設定することや、ある程度妥協できる条件を広げた形で探すことも大切です。
②施工業者探し
施行業者にもさまざまなタイプがあります。主な特徴は以下のとおりです。
タイプ |
特長 |
ハウスメーカー |
大手ならではの安定感と安定した品質 |
設計事務所 |
個性的なデザインを取り入れることができる |
工務店 |
地元密着型であり細かい要望も伝えやすい |
施行業者の情報はインターネットでもある程度は集められると思いますが、土地を探す中で不動産屋のネットワークで紹介してもらうなど幅広く探してみることが大切です。
また、建築基準法との関係から、理想の土地を見つけても理想どおりの建物とならない可能性もあります。土地探しと並行して施工業者の候補を探し、業者さんに土地の詳細と建物の条件をあらかじめ伝えておくことで、こういったトラブルを防ぐことができます。
3.手続き その1 ~土地の購入、建物のプランニング、施工業者との契約締結~
①土地の購入
まず、不動産会社から宅地建物取引業法に基づく「重要事項説明」を受けます。ご自分の認識と異なる点がないかを確認するとともに、その他気になる点があれば必ず確認するようにしましょう。
問題がなければ「契約」です。手付金(一般的に土地代の10%程度)はこの段階で支払うことが多いです。このほか「仲介手数料」などの費用も合わせて支払うこともあります。
②建物のプランニング
1.①「暮らしのイメージ作り」で洗い出した条件について、実際に購入する土地で実現できるものをあらためて並べたうえで、具体的に建物のイメージを固めていきます。「どんな暮らしをしたいか」だけでなく、「家族構成」などの基本情報や「譲れないポイント」を具体的に施工業者に伝えて設計してもらいましょう。また、ある程度固まった段階であらためてイメージをすり合わせ、ご自分のイメージに合っているかも確認しましょう。詳細を詰める段階まで施行業者と何回も打合せが必要となります。
また、本来的にはこの段階で仕様や設備について全て確定させておくべきですが、細部まで検討が至っていないこともあるかもしれません。その場合でも、間取りや窓の大きさ・位置、大物設備(例えば、玄関設備、床暖房、シャッターなど)は確定させておきましょう。また、その他のものについても大まかなイメージを伝えておき、 齟齬がないようにしておく必要があります。特に、建物自体の設計に影響を及ぼすものである場合には、事後的な調整がきかなかったり、大幅なプラン変更となり費用が増加したりする可能性もあります。
③施工業者との契約締結
建物のプランニングが終わったら施工業者との建物請負契約を締結します。契約書や見積書、設計書についてきちんと目を通しておき、事前に疑問点があれば解消しておきましょう。
この段階で、施工業者は、確定した建物が建築基準法に合致するかどうかのチェックを受けるため、「建築確認申請」を役所等に提出します。
5.施工、引渡し・入居
①施工
業者さんが工事を始める前に、地鎮祭(じちんさい)*1・上棟式(じょうとうしき)*2や近隣住民への挨拶を行います。 工事期間中も、ただ完成を待つだけでなく、何度も現場を訪問しましょう。設計と異なる点がないかの確認だけでなく、ご自分の家がどのように出来上がるかを見ることで家への愛着が増すでしょうし、業者さんとのコミュニケーションを密に取ることで、細かい要望にも対応してくれるかもしれません。
*1 建物を建てる際に、工事の無事・安全、建物・家の繁栄を祈る儀式
*2 柱などの骨組みが完成した段階に行う儀式。完成を祈願するほか、工事関係者をねぎらったり親睦を深めたりするために行われる場合もあります。
②引渡し・入居
完成したら晴れて「引渡し」となります。この段階で火災保険には必ず加入していなければなりません。ローンを設定する銀行の意向にもよりますが、必ずしも銀行が勧める火災保険に加入しなければならないことはありません。インターネット上でさまざまな会社の商品を比較することもできますので、ご自分にあった保険に加入することが重要です。
引渡しの前に立会いを行い、建物の状況を一通り確認します。キズや汚れがないかなど細部まで確認し、補修が必要な箇所があれば先方に伝えて対応してもらいましょう。「どこを、いつまでに」補修するかについて、書面などで明確にしておくことでトラブルを防げます。また、建築基準法に基づく「完了検査」も行う必要があります(工務店やハウスメーカーが代理申請するケースが一般的です。)。
これらが完了して、ようやく新居に入居です!夢のマイホーム暮らしをエンジョイしましょう!!