家の購入で後悔・失敗しないための
5つのポイント

~マンション・
戸建てを
賢く購入するには~

家の購入は、人生で一番大きな買い物と言われています。
地域・立地により違いはありますが、ローンを組む場合は、数十年の返済になります。 人生に大きな影響を与える買い物のため、後悔・失敗はしたくないというのは、マイホームを購入される方の共通の想いでしょう。 ただ、どのようなことに注意すれば、後悔・失敗をせずにすむのか、後悔・失敗を最小限に抑えられるのかということは、把握しきれないことも多いでしょう。
この記事では、家の購入の際に後悔・失敗をしないために注意したい5つのポイントをまとめてみました。


目次

お金について
~家の購入予算と住宅ローン・意外とかかる諸費用~

家の購入予算と住宅ローン・意外とかかる諸費用

マイホームの購入で、「お金」は最も重要な部分です。
いざ購入を検討し始めると、ローンに関して金融機関各社の金利情報の収集・比較、住宅購入費以外の費用、住宅購入後の費用など考えなければいけない事柄は多くあります。 まずは、家を購入するときの「お金について」のポイント・注意点を考えてみましょう。




住宅の購入は予算内に収め、住宅ローンを組む

家を購入する場合、頭金を用意し、住宅ローンを組むのが一般的で、金利等をよく精査しローンの長期返済を念頭にゆとりをもった資金計画が必要になります。
そのため、たとえ思い描く理想の物件が見つかったとしても、予算を超え資金計画に無理が生じる物件だった場合、諦める勇気を持ちましょう。
家の購入は、大きなライフイベントですが、なにより大切なのは購入後のご家族の生活です。
天災や病気など人生ではさまざまなトラブルの可能性もあり、こうした出来事により家計のバランスが崩れてしまえば、苦労して購入した住宅の維持ができなくなってしまいます。
住宅ローンの実際の手続きについては関連コラム「知っておきたい住宅ローン手続き」のページをご参照ください。


住宅の一目惚れ購入に注意

「予算にあった住宅ローンを組むなんて、当たり前。参考にならないよ」と思う方も多いと思います。
ですが、理想の物件に出会い、運命を感じ、その場の感情に流されて背伸びして購入してしまう・・・「住宅の一目惚れ購入」というのは、誰にでも起こりうることです。
住宅の内覧などでは、たいてい不動産会社の営業担当者が付き添いますので、顧客の心理状況を察し、言葉巧みにすすめられ、限度額いっぱいまで借りてしまった、そもそも住宅購入の準備も頭金も用意していない状態だったのにフルローンで借りてしまって購入・・・といったこともあり得ます。
このような無理な購入をした場合、入居後家計の維持に苦労します。さらにフルローンの場合、住み替えのため売却する際に担保割れしてしまうといった問題が起こります。 いずれも予算に関して甘い考えを持っていると起こりうる問題です。
こうした失敗談はインターネット上の口コミサイトなどでも見かけることもあり、ゆとりある資金計画になっているか、誰かに任せきりになっていないかなどを冷静に考えることが重要です。


火災保険は自分で選び、節約できる

家の購入予算と住宅ローン・意外とかかる諸費用

火災保険は多くの住宅ローンを組む際に義務付けられています。
義務付けられるという話を聞くと、お金を借りた金融機関の指定の保険に入らなければいけないと思われる方もいらっしゃいますが、実はどの火災保険にするかまでは義務付けられていないのです。
これまでは、銀行・信金などの金融機関でローンを組んだ際、あわせて火災保険に加入することが一般的でしたが、火災保険は自分で選ぶことができるという情報が浸透しはじめ、昨今では、インターネットで自分で火災保険を比較し加入される方もいらっしゃいます。
住宅購入費は数千万円になることから比べると、火災保険は、年間数万円程度で安く見えますが、住宅がある限り加入し続けることを考えると少しでも節約することをおすすめします。
例えば、まとめて保険料を支払うと一回の支払い金額は大きくなりますが、割引が適用されることが多く、保険料を抑えることができます。あなたのお住まいの立地や種類から検討して、必要な補償に絞り火災保険を比較検討すると、思わぬ保険料節約になることがあります。

日新火災のおドクター火災保険Webは、お客さまの住宅にとって必要な補償をお客さまご自身で組み立てられる火災保険です。 下の個人情報入力不要のカンタン無料見積りをぜひお試しください。
次は、「住宅購⼊費だけじゃない、意外と多い諸経費」です。下へスクロールしてご覧ください。

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①建物の所在地
②建物の構造

※1 コンクリート造・鉄骨造・省令準耐火建築物など
※2 省令準耐火でない木造建物など

③床面積

住宅購入費だけじゃない、意外と多い諸経費

マイホーム購入には、戸建ての場合と分譲マンションの場合でそれぞれ住宅購入費以外にも多くの諸経費があります。これら諸経費は手数料や税金となるため、現金払が基本です。
諸経費・ランニングコストを考慮していないと、コストオーバーや入居後の生活に支障をきたすこともあります。 以下が諸経費の一覧です。
掲載内容は今後法律改正等により変更される場合がありますので、最新の情報、詳細は所管官庁(税務署)又は税理士などにてご確認ください。

建物別マイホーム購入にかかる諸経費一覧

(〇は費用が発生する、△はケースにより費用が発生する)

    
諸経費が必要なタイミング 諸経費の種類 戸建て マンション 費用
注文住宅 建売住宅 中古 新築 中古
購入申込み時 申込証拠金 数万円程度
契約時 手付金 売買代金の5~10%程度が相場
仲介手数料の
半金
売買代金の3.3%+6.6万円(税込)を上限
印紙税 1万円前後
購入時の費用 頭金
(自己資金)
売買代金の10~20%程度
印紙税 1万円前後
仲介手数料の
半金
1~2万円
ローン
事務手数料
契約時に払った仲介手数料の残りの額
ローン保証料 数万~数十万円程度
火災保険料 数万~数十万円程度
団体信用
生命保険料
保険料は金利に含まれるケースが多い。特定疾病特約を付ける場合は金利が0.1~0.2%程度上がるケースもある。
登録免許税 数十万円程度
登記手数料 全部合わせて10万円強
水道負担金 負担金の金額は2万円程度~数十万円以上と幅があり、口径が太くなれば費用は高額になる。ただし、地方公共団体によって必要なところと不要なところがあり確認が必要。現在では物件の販売価格に含まれているケースが多い。
固定資産税
清算金
固定資産税評価額×税率1.4%(市区町村により異なる)を売主と按分
不動産取得税 建物:評価額(固定資産税評価額)×3%*
土地:評価額(固定資産税評価額)×1/2×3%*
修繕積立基金(入居時一時金) - - - - 分譲後すぐの修繕などへの備え、数十万~数百万円程度と建物規模によるが高額になる。
建築時 見積り時の
調査費用
- - - - 10万円前後
建築確認
申請費用
- - - - 10~20万円を目安とした費用
地鎮祭の費用 - - - - 数万円程度
設計管理費 - - - - 建築工事代金の10%前後
上棟式の費用 - - - - 10万円前後
入居後の費用 管理費 - - - 建物により高額なケースもあるが、一般的には1か月1.5万~2万円程度
修繕積立金 - - - 1か月/戸当たりの修繕積立金の額の平均は11,243円、駐車場使用料等からの充当額を含む修繕積立金の総額の平均は12,268円(国土交通省 平成30年度マンション総合調査結果(2019年4月26日公表))
修繕積立一時金 - - - 管理組合の財務状況により、数万円程度の場合から100万円を超えることもある。
入居費用 家財購入費・引っ越し費用 3人家族で10万円~15万円程度(距離による)
都市計画税 固定資産税評価額×税率0.3%(市区町村により異なる)
固定資産税 建物の構造、床面積、地域の相場より変動する。
外装等修繕費 - - 建物規模、築年数、修繕箇所にもよるが、数百万円規模

原則税率は4%ですが、2027年3⽉31⽇の取得までは軽減措置が適⽤されます。


マンションの管理費・修繕積立金は値上がりの可能性がある

分譲マンションを購入された場合、戸建てと比べて、購入時の費用は抑えられるケースもあります。しかし、マンションは購入後、毎月かかる管理費や修繕積立金、駐車場使用料などさまざまな費用が発生しますので、ランニングコストという面ではマンションのほうが高額となる場合があります。
さらに管理費と修繕積立金は値上がりの可能性もあります。


管理費が値上がりする理由とは

管理費は、清掃や各設備の維持費など日常的な管理のために支払うお金です。宅配ロッカーの設置、外壁のタイル剥がれやドアの故障など必要に応じて行われる小規模な補修費用、物件が加入している保険料などにより値上がりする可能性もあります。


修繕積立金が値上がりする理由とは

修繕積立金は、古くなるにつれて修理が必要になる箇所の工事費用として蓄えられているお金です。
築年数を重ねるごとに劣化し、物件の修繕が必要になるため、値上がりを余儀なくされることもあります。


立地について
~購入後のライフスタイルの変化、備えるべき災害の可能性、資産価値を考えよう~

家の購入予算と住宅ローン・意外とかかる諸費用

マイホームは賃貸物件と違って何度も引っ越すことができない分、エリア・立地は慎重に選ぶ必要があります。 エリア・立地選びで特に検討すべきことは、住み心地はもちろん、購入後のライフスタイルの変化、近年では備えるべき災害の可能性資産価値に関してです。





あなたや家族の生活ニーズ・今後のライフスタイルをイメージする

駅に近いほうが良い、日当たりがいいほうが良い、子育てがしやすい地域が良い、通勤・通学が楽な方が良いなど、あなたやあなたの家族にはそれぞれ新居への希望があります。
誰かの希望を考慮せずに購入する家を決めてしまうと、必ず後々問題になり後悔にがります。
すべての希望を網羅することは、たいていの場合不可能ですが、家族全員の希望をリストアップし、意見を「見える化」して整理することは、後悔・失敗を減らす1つのポイントです。
また、将来のライフスタイルもイメージしておく必要があります。

ご家族の現在の通勤に負担はないかはもちろんのこと、長時間通勤が必要なエリアの物件では、年齢を重ねたとき体力的に耐えられるのかなど考えることも必要でしょう。
不安が残る場合は、一定の年齢での住み替えも念頭に入れておく必要があります。
子育て世代の方であれば、周辺地域の保育園・幼稚園の充実度やお子さまの成長とともに通うことになる学校の雰囲気なども調べる必要があります。
また、まったく知らない土地・エリアの場合、人間関係も1から作る必要があり、特に家に長時間いらっしゃる家族を気遣い、なじめそうな雰囲気の地域であるかを考えることも大切です。


治安や備えるべき災害の可能性を考える

治安が良いか悪いかは口コミや人づてでしか知ることができないと思われがちですが、各地域の警察のHPに交通事故の発生箇所、犯罪発生状況が掲載されています。
例えば東京都(警視庁)の場合、交通事故の発生箇所*1、犯罪発生状況*2などが統計となって掲載されています。

警視庁 交通事故発生マップ*1

東京都(警視庁)犯罪発生状況や交通事故の発生箇所

*1 <画像参照>警視庁 交通事故発生マップ(https://www2.wagmap.jp/jikomap/Portal)

*2 警視庁 犯罪発生状況 区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数 (https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/about_mpd/jokyo_tokei/jokyo/ninchikensu.html)


また、災害については昨今、耳にすることも多くなったハザードマップをしっかり確認し、洪水、土砂災害、津波、地震の際のリスクについても頭に入れておきましょう。

すまいのリスクマップ

お客さまのご自宅周辺の水災、地震リスクについて、日新火災の防災ツールであるすまいのリスクマップでご確認ください。

ハザードマップポータルサイト*1

画像5.png

*1 <画像参照>国土交通省 国土地理院 ハザードマップポータルサイト(https://disaportal.gsi.go.jp/)


とくに地震のリスクについては「地盤の強さ」によって大きく異なります。
一般的に宅地造成地で十分固まっていない盛土は地盤が弱く、不同沈下(地盤のゆがみなどにより建物が傾く(地中に沈む)こと)する恐れがあるといわれ、低地にあると周囲から水が集まりやすく、地盤が軟弱になりやすいともいわれます。
こうしたことは、ハザードマップポータルサイトの「重ねるハザードマップ」*2でも確認できます。

*2「重ねるハザードマップ」国土交通省 国土地理院 ハザードマップポータルサイト(https://disaportal.gsi.go.jp/maps/)



地盤の情報を集めたうえで、どこに住むかを考え、特に戸建てを建てるときは、プロによる地盤調査を依頼したほうが良いでしょう。


資産価値の変動について

戸建て、マンションなどの不動産は、購入時とその後で資産価値が変動する可能性があります。
ライフスタイルの変化による住み替えに備え、不動産価値の変動要素を理解しておきましょう。


不動産の資産価値は、大きく「土地の価値」と「建物の価値」の2つに分けられます。


土地の価値の変動要素は、世界的な経済問題、住宅周辺の土地開発(インターチェンジや駅の開発、工場や大規模施設の建設など)や災害などがあり、建物の価値の変動要素は、築年数や建物の管理状況があります。 土地の価値の変動要素は個人でコントロールできるものではありませんが、住宅周辺の環境は事前に調べてリスクマネジメントをすることはできます。


例えば、災害の起きやすさの有無は事前にハザードマップで調べることもできますし、移転や撤退となると大幅に地価が下がる大企業の施設(本社・支社・工場)や大学などがあるかなども把握できます。


万が一の売却やライフスタイルの変化による住み替えについても念頭に置き、エリア・立地を検討し住宅購入することが大切です。


建物の種別について
~新築・中古、戸建て・マンションのメリット・デメリット~

家の購入予算と住宅ローン・意外とかかる諸費用

購入するマイホームの種別は戸建てが良いのかマンションが良いのか、さらに新築が良いのか、それとも中古で良いのかをきちんと整理しておく必要があります。
新築でなければ嫌だという方もいらっしゃると思いますが、それぞれにメリット・デメリットがあり、納得したうえで検討に入るべきです。




戸建てとマンションの比較、メリット・デメリット

戸建てのメリットは、土地・建物を両方所有でき、設計からかかわることもできる点です。
修繕等のランニングコストもご自身でコントロールできる点はメリットですが、デメリットとしては購入費用が土地に応じて高くなり、防犯なども自分で検討する必要がある点です。


マンションのメリットは好立地の物件を選びやすく戸建てでは不可能な高層に住むことも可能な点、土地代は住民で按分となるため戸建てよりも割安になる点、修理・修繕、防犯対策もパッケージになっている点が挙げられます。 一方で、管理費などのランニングコストや騒音問題が生じる可能性などのデメリットがあります。


こちらの詳細については、関連コラム「戸建てとマンションのメリット・デメリット」をご参照ください。


新築と中古の比較、メリット・デメリット

以下の表は新築と中古についての比較です。

新築物件と中古物件の比較

    
新築 中古
価格 価格に販売経費が入るため割高 販売経費が載せられていないため価格が割安
設備 建物が新しく・最新設備 建物・設備は最新ではない
耐震基準 新耐震基準が適用されている 1981年以前の物件の場合は、現在の耐震基準を満たしていない場合もある
物件・立地の選択肢 再開発などで優良立地は増えているが物件販売時期が限られる 実物を確認でき・立地の選択肢は多いが、同じ区画・同一物件での選択肢は少ない
税金の軽減 住宅ローン控除など手厚い 税制面での控除を受けられないケースがある
ランニングコスト 建物の痛みがなく、修繕費は少なくて済む 建物・設備が古い場合、修繕コストが高くなる
その他コスト 修繕積立基金がかかる(マンション)
水道負担金がかかる(戸建て)
-

新築物件のメリット・デメリット

新築物件は、何と言っても内装・外観ともに新しいことが最大のメリットです。さらに戸建て(注文住宅)であれば外観・内装すべて思いのままに建築することも可能です。
戸建て・マンションともに耐震性は新基準に対応できており耐火性能も含め災害への対応ができています。さらに税金の控除も手厚く、建物自体の当面の修繕費などのランニングコストは戸建てではかからない、マンションでも抑えられることもメリットと言えるでしょう。

一方でデメリットは、価格の高さです。
戸建ての場合、注文住宅などでこだわりを反映させればさせるほど高額になり、建売でも販売経費が上乗せになっているため割高になり、販売時期や物件の数も限られています。また、注文住宅はもちろんのこと、建売やマンションでも完成前の予約販売の場合は間取りやイメージ図でしか確認できないという点もデメリットと言えます。


中古物件のメリット・デメリット

中古物件のメリットは、価格の安さです。販売手数料が乗せられておらず、古い物件になるほど建物の価値が下がるため価格が安くなります。また、気に入った物件の実物を確認することができ、物件の種類や立地条件の良い物件も豊富です。 一方で、築年数に応じて構造・設備は古くなるため耐震構造に問題がある可能性もあり、修繕や設備の入れ替えに費用がかかることもあります。
また、条件(木造は築年数20年超、鉄筋コンクリート造などの耐火構造は築年数25年超)によってはローンの控除を受けられないことがあります。


家の構造について
~家族で考えたい間取り・建物の設計・構造、災害への備えるための家~

家の購入予算と住宅ローン・意外とかかる諸費用

家の間取りや設計・構造に関しては、それぞれの方のこだわりが強く出る部分でもあります。
注文住宅をご検討の場合は、外観を含めた設計から考えたいと思っている方もいらっしゃるでしょう。
しかし、「立地について」でも言及しましたが、一人でお住まいになる場合を除き、「私はこんな間取りは嫌だった」「天井は高いほうが良かった」など入居後の家族間のもめごとを予防するために、よく相談をしておくことをおすすめします。


個人のこだわり、安易なイメージだけで間取り・構造、設備を決めない

念願のマイホームだからリビングやキッチン、玄関に至るまで、できる限り理想をかなえたい、こだわりたいと思うのは自然なことです。
しかし、頭の中のイメージだけで間取りや構造、設備などを決めてしまうと、実際に住んでみてからイメージとのずれが見えてきて、「こんなはずではなかったのに」と後悔してしまうこともあります。
まずは、家族の意見や希望を聞き、建売やマンションであればたくさんのモデルルームを見学することが重要です。 注文住宅であれば不動産会社や設計事務所にお願いし、竣工済みの物件の内部を見学してイメージを固めていきましょう。
見た目が素敵な間取り・構造・設備がご家族の皆さまにとって使いやすい、過ごしやすいとはイコールにならないこともあります。
「立地について」でも言及しましたが、部屋の間取りや設備・構造については、家に最も長くいる方がストレスなく過ごせる環境を考えることが重要です。


現在と将来の家族構成・ライフスタイルを考える

家の購入予算と住宅ローン・意外とかかる諸費用

それぞれの家庭の家族構成やライフスタイルによって生活空間・生活導線・構造が異なります。そして家族構成やライフスタイルは年を追うごとに変化します。
そのため、今必要なことと将来必要なことの2つを考えて、部屋の間取り、建物の設計・構造を考える必要があります。


例えば、小さなお子さんがいる場合は、家族の距離は近く、リビングと寝室で過ごす時間が多いと考えられ、お子さんの成長とともに、個室が必要になります。 また、二世帯の場合は、ご両親のこれからのことも考慮し、できる限り部屋ごとの段差をなくす、滑らない床にするなどのバリアフリーを意識する必要があります。


こうした現在と将来を念頭に置き、家族構成やライフスタイルの変化に対応できる家を選ぶと良いでしょう。


耐震構造など災害への備えを意識する

私たちが住んでいる日本は、家を建てる場合、買う場合でも地震・台風などの災害に関しての備えは、切っても切り離せない問題です。
特に地震については、近年大型の地震が発生していますが、建物の耐震等級によって被害が違うことが証明されています。
2016年の熊本地震において、住宅性能表示制度創設(2000年10月)以降の耐震等級3の場合、無被害または軽微な被害状況だったとされており、ハザードマップ等で地震被害の大きい可能性を示唆されている地域においては、高い耐震等級の物件を検討すべきでしょう。


住宅性能表示制度創設(2000年10月)以降の木造建築物の被害状況

<画像参照>国土交通省「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」報告書のポイント 木造建築物の倒壊の原因分析(旧耐震基準)(https://www.mlit.go.jp/common/001155087.pdf)


中古物件のデメリットでも言及しましたが、中古物件には、住宅性能表示制度創設以前の建物もあり、たとえリフォーム後で内装・外装がきれいであっても、構造そのものが脆弱であることもあるので事前の確認が必要です。


また、耐震性能が高い物件(耐震等級2または3の住宅の場合)に関しては、地震保険料が割引になります。 住宅性能表示制度による耐震等級、保険料割引の詳細については、関連コラム「家を買うとき「耐震性能」って必要なの?」をご参照ください。


不動産会社について
~不動産会社の種類と信頼できる不動産会社の選び方~

家の購入予算と住宅ローン・意外とかかる諸費用

一般的に住宅購入は、人生に1回か2回程度ですが、施工・建築、販売、仲介を行う不動産会社は毎年数多くの物件を取引している専門知識を有したプロフェッショナルです。
後悔しない住宅選びには、信頼できる不動産会社を選ぶことは重要です。
また、こうした不動産会社は取り扱う物件の種類によって分類されます。



不動産会社の種類

住宅購入を検討するまであまり意識しないことですが、「不動産会社」の種類によって取り扱う物件や役割が異なります。

不動産会社の種類と取扱い物件


戸建て マンション
新築 中古 新築 中古
建築・施工 ハウスメーカー
工務店
ハウスメーカー
工務店
リフォーム会社
ゼネコン ハウスメーカー
工務店
リフォーム会社
売主 ハウスメーカー
工務店
デベロッパー
主に個人 デベロッパー 主に個人
販売形態 売主直接
仲介
販売代理
主に仲介 売主直接
販売代理
主に仲介
販売窓口 ハウスメーカー
工務店
デベロッパー
販売代理会社
仲介会社
仲介会社
売主
販売代理会社
デベロッパー
仲介会社
売主

実際に住宅購入者とやり取りをするのが「販売窓口」です。


種類別不動産会社の特徴

以下が種類別不動産会社の特徴です。それぞれ不動産会社の特徴を理解しておきましょう。


種類 特長
ハウスメーカー 営業・施工エリアともに広域で、全国に支社・支店を持つ。
住宅展示場でモデルハウスが公開されており、工法・工期なども効率化が図られている。
用意されているプランから選ぶことが一般的で保証・メンテナンス体制も確立されている。
一方で注文住宅の場合、必ずしも自由度が高いとは言えない。
工務店 ハウスメーカーと比べると地域色が強く、中小規模の会社が多い。
建築・施工のレベルやクオリティ、メンテナンスに関しても在籍している職人や担当により差があるが、設計プランの自由度は高く、工務店によって独自の強みを持っている。
デベロッパー マンション、大規模団地などの開発に携わっている。
新築の物件でデベロッパーが直接窓口になる案件以外では、住宅購入者がやり取りすることはあまりない。
販売代理会社 建築・施工は行わず、分譲マンションや戸建ての売主から広告・契約締結までを請け負い、販売業務のみを代行する。
販売に特化しているが、物件の周辺情報や資金計画などを相談できることもある。
仲介会社 売主からの依頼で販売活動を行う。
買主と売主の条件の調整を行う。
昨今、売主・買主ともに同じ仲介会社が担当する「両手仲介」は多いが、どちらかの利益を害することもあり、原則としてお互いに別の仲介会社を通して取引を行うほうが良いといわれている。

信頼できる不動産会社とは

家の購入予算と住宅ローン・意外とかかる諸費用

信頼できる不動産会社を選ぶ場合、全国展開している大企業であること、長年地域に根ざし、その地域の情報をたくさん持っていることなど、選ぶポイントはさまざまあります。 ただ、実際に信用できる企業か否かは、企業の規模や地域に対しての情報量だけでは測ることはできません。
重要なのは、あなたの営業担当者が信頼できる人物なのかということです。
営業担当者と話をし、少し感じが良いと情がわいて、多少の感覚の違いは妥協してしまう方もいらっしゃいますが、あなたと大切な家族の人生もかかっています。ですから、パートナーとなる営業担当者は妥協せずに選びましょう。
以下の点が信頼できる営業担当者かの判断基準です。

地域・建物・金融に関しての専門知識はあるか

地域・建物・金融に関しての専門知識の量や質は、信頼につながる部分です。 こういった専門知識は、属人的な要素も多くありますが、会社の規模で違いが出るケースもあります。


〇大企業の場合

多数の支店を構える不動産会社の場合、営業担当者は全国に広がる独自のネットワークを活用した情報提供、数多くの施工・販売実績に基づくアドバイスができ、金融の知識に関しても過去の実績や専門部署があるため、どの営業担当者になっても一定の水準は担保されています。 ただし、各営業担当者は地域社員でない限り、定期的に異動の可能性があります。 せっかく気心の知れた仲になっても、担当から外れる可能性があることは認識しておきましょう。

〇中小企業の場合

特定の地域で長く営業をしている不動産会社は、大企業に比べ地域の情報に非常に詳しいという特徴があります。その反面、建物や金融に関しての知識は、企業ごと、営業担当者ごとにかなり差があることもあります。
ただし、大企業の場合と異なり、担当者の転職などがない限り、長い付き合いを持続することができます。

知識の確認については、建物・金融に関しては宅地建物取引士やFP(ファイナンシャルプランナー)などの有資格者かどうかが一つの目安になり、その上で、検討している物件のイメージや資金計画を相談し、あなたが気付いていなかった計画の漏れや建物への的確なアドバイスが返ってくるかどうかを確認してみましょう。
また、地域の知識については、いくつか質問を用意しておくとよいでしょう。
例えば、地域で一番安いスーパーはどこか?昼と夜の環境の違いは?など、ある程度日頃から調査していないとわからないことを把握しているかを確認してみましょう。

こちらの希望・意向を聞く気があるか

企業の規模に関係なく、営業担当者には販売目標があり、売りたい物件があります。
それでも顧客の希望・意向に沿った提案をしてくれるのが、信頼できる企業・営業担当者と言えます。
こちらのイメージを伝えても、納得のいく説明もないまま、イメージとはまったく異なる物件を提案してくる場合は、敬遠したほうが良いでしょう。
大企業・中小企業問わず、営業目標達成のために顧客目線でない営業担当者は少なからずいます。
こちらのイメージに寄り添い、希望を整理したうえで提案をしてくれるのか、あるいは折衷案を提示してくれるのかをよく観察してみましょう。

スピード感が合うか

どんなに感じの良い営業担当者でも、やり取りのスピード感が合わないとストレスがたまります。
物件の購入は転居を伴いますので、「いつまでに購入したい」など、それぞれ希望の時期があり、営業担当者の動き次第では円滑に進まないケースもあります。
また、物件や土地は同じものは一つとしてありませんので、営業担当者の対応が遅いとそもそも手に入らないこともあります。
スピード感に関しては、実際にやり取りをしてみないとわかりませんが、最初の問合せに対してのレスポンスが早いかどうかを観察してみましょう。


まとめ

今回は、家の購入で失敗・後悔しないポイントについての記事でしたが、それぞれの項目で重要なポイントは以下となります。

✓お金について

ローン返済でライフプランが崩れないよう、身の丈にあった、家計に負担のない計画にすること。

✓立地について

家族の現在と将来を見据え、夫婦間または家族間でよく相談し、それぞれの意見をよく検討すること。

✓建物の種別について

戸建て・マンション、新築・中古のメリット・デメリットをよく理解し、ライフスタイルに合ったものを検討すること。

✓家の構造について

家族で、現在と将来の家族構成やライフスタイル、災害への備えを考え、建物の見学を行いイメージを固めること。

✓不動産会社について

お金に関しての計画、立地、建物の種別、家の構造などの希望・意向を真摯に受け止め、あなた以上に考えてくれる営業担当者を探すこと。


これらのポイントは、当たり前のことのように聞こえますが、家の購入では、数千万円といった大きな金額を目にしすぎて、金銭感覚が麻痺し、普段であれば気になるような数万円、数十万円の金額の差異も見逃してしまうことがあります。さらに、間取りやデザインなどのディテール、立地の良さのみにこだわりすぎて、家族の住みやすさや長く続く今後の生活といった本質的なことが抜けてしまうことがあるのです。

住宅の購入は生活を豊かにするための手段の一つであり、目的ではありません。 マイホームの購入は、あなたと家族の現在と未来を豊かにするものでなくてはいけません。

家の購入で少しの失敗・後悔もしないのは難しいことですが、今回の記事が皆さまのマイホーム購入の一助になれば幸いです。

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